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上祖師谷郷土研究会が地域活性化に貢献

 東京都世田谷区にある上祖師谷郷土研究会は、3月27日、上祖師谷農ツアーを行った。これは年齢や在住年数を問わず地域住民に広く地域のことを知ってもらうという目的で、2020年から始まった。以前は、古地名ツアーという名前で行っていたが、当時常務を務めていたJA東京中央の福田武雄専務の助言により、農ツアーと名を変えた。地域に対して熱い思いを持つ高橋光正会長が主導し、以前から地域で人気のイベントとなっている。
 当日は、20名が参加し、地域の畑、用水などの農業遺産7カ所を巡った。かつては、畑作だけでなく、水稲や乳牛など多様な農の営みがあった上祖師谷地域。現在、同JA上祖師谷支部には、50名の支部員のうち、27名の生産緑地所有者がいる。同JA内でも有数の地域だ。そのうちの2カ所では、生産者が自身の栽培法を紹介した。養蜂を行っている宍戸農園では、園主の宍戸達也さん(62)が西洋ミツバチの習性やハチミツの取り方について説明。話を聞いた参加者からは相次いで質問が寄せられた。花市農園では、園主の吉岡誠市さん(70)が栽培中の菜の花やスナックエンドウについて説明。高橋会長が参加者に対し、複数の出荷先に絶えず出荷する吉岡さんの努力を語った。
 昨年は新型コロナウイルスの影響で開催に至らず、2年ぶりの開催に大盛況となった。参加者は「区報を見て、初めて参加した。地元のことを知る貴重な機会となってよかった」と話した。今後の展開について高橋会長は「私が所属している支部には幸いなことに農業に従事している後継者が9名いる。その後継者たちに活動を繋いでいきたい」と語った。活動を通して地域活性化に貢献する同研究会から目が離せない。

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