東京都杉並区は都の「都市農地保全支援プロジェクト」を利用してJA東京中央と協力し、農家の畑に防災兼用農業井戸を設置しています。このプロジェクトは、都市農地が持つ防災や環境保全などの役割を十分生かすとともに、地域住民に配慮した基盤を整備し、貴重な都市農地を保全することが目的。井戸の整備や停電時に必要な非常用発電機の購入費、防災協力農地看板の整備などを補助しています。井戸の設置は2014年の7カ所から始まり、現在は21カ所にまで増えています。
3月上旬、2018年に井戸を設置した牧野繁男さんから動作確認依頼があり、設備業者と共に設置状況や稼働状況を調べ、発電機が正常に動き、井戸水を汲み上げることができることを確認しました。
防災兼用農業井戸は日ごろの栽培管理だけでなく、災害時の防災用地と食料提供に加え、地域住民への生活用水の提供にも利用できます。点検を終えた牧野さんは「農業用井戸として役立てるとともに、災害時には近隣住民に提供できるようしっかりと備えておくことが大切だ。発電機が正常に動き、井戸水が出ることが確認できて安心した」と話しました。