雨にもマケズ

「食べることの大変さ・大切さ・素晴らしさ」を子どもたちに伝えよう

世田谷区 城田 恭宏さん

身近な存在の「畑」

 「我が家は代々農家なので、畑は子どもの頃から身近な存在だった。夏休みに父に連れられて畑へ遊びに行ったり、父が骨折した時なんかは教えてもらいながら消毒の手伝いをしたこともあった」

 穏やかな笑顔を浮かべ子どもの頃を思い出すのは、砧地区で農業を営む城田恭宏さん。ハウスを含めた約10aの畑を切り盛りし、この時期はトマト・ナス・キュウリ・エダマメ・レタス・イモ類などを栽培しています。日課となっている作業は苗への水やり・朝晩のハウス開け閉め・土壌の酸度調整などで、特に農作業のスタートとなるこの時期は元気な苗の育成に力を入れているそうです。

地元農家として都市農業理解に奔走

 元々サラリーマンとして勤務していた城田さんでしたが、平成18年に家業を継承し専業農家となりました。せたがや農業塾にも7期生として入塾し、仲間たちと共に農業を学んだ経験が今の営農に役立っています。また、平成19年には砧地区青壮年部に入部し、令和5年には部長に就任して次大夫堀公園の教育田管理や喜多見農業公園での農業体験指導など、都市農業理解のために、地元農家として多岐にわたる働きかけを行っています。

野球部の経験が生きている

 城田さんは自身の経歴を振り返り「学生時代は野球部に所属し、水も飲めない厳しい環境の中、特訓で一生分のダッシュをした。その時に培った体力が今の農作業に生きているんだと思う。それでも、職業病で年に1度くらいはぎっくり腰になっちゃうんだけどね」と明るく話しました。

「食べることの大変さ・大切さ・素晴らしさ」を子どもたちに

 都市農業を営む中で、農業機械の騒音や消毒の際の風向きなど気にかけなければならないことは多々あります。そのような中でも、城田さんは「食べることの大変さ・大切さ・素晴らしさ」を子どもたちに伝えようと今日も農業に励みます。「新鮮な野菜が食べられるというのは、当たり前じゃない。農家に対してはもちろん、お父さんやお母さんにも感謝して残さずご飯を食べてほしい」と願いを語りました。令和6年度もまた、教育田の準備が始まります。4月3日、砧地区青壮年部が苗の種まきと育苗場所の設置を行いました。5月下旬には、子どもたちとの田植えが待っています。

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